導入事例詳細 Case Study

クラウドエージェントのサービスをフル活用。得意のIT領域を活かし、人材紹介未経験から1年足らずでの事業立ち上げに成功。

2023/11/01

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Spry株式会社 代表・伊藤 博行 様
従業員規模:15名
設立年:2022年
組織コンサルティング事業・人事労務コンサルティング事業・人材紹介事業を展開。人材紹介事業はIT系・人材系の営業職を得意とし、未経験からの立ち上げ1年足らずで成約を出し続けている。

候補者さまに「転職して良かった」と大満足してほしい。得意のIT領域を中心に人材紹介事業をスタート

——人材紹介事業を始めたきっかけを教えてください。

私たちの人材紹介事業は、IT系・人材系の営業職からエンジニア職までを得意とし、特に営業職は未経験からの立ち上げからわずか1年足らずで成約を出し続けています。
私が以前から企業のアドバイザーや組織のコンサルティングを行なっていたこと、そして案件が増えてきたために独立を考えたことが、私たちの起業のきっかけです。人材紹介事業を始めた理由は、どの企業でも必ず「人を紹介してほしい」という要望が出てきたからです。私たちが企業の課題を理解し、それに基づいて候補者を推薦することで、必ずマッチするという確信がありました。だからこそ、人材紹介事業を始めれば、私たちにとっても、そして企業にとっても、適切な候補者と出会う可能性が高まると考えました。

——御社の人材紹介事業にはどのような特徴があるのでしょうか。

弊社の得意領域はIT業界で、「未経験からITへ」という候補者さまが非常に多いのが特徴です。社員もほとんどIT出身なので、IT業界の良いところと悪いところ、面接の特徴もつかめています。一般的に「無形商材からITへ」という意向を持つ候補者さまは多いと思うのですが、直近弊社ではかなり難易度が高い「有形商材から無形商材へ」「ルート営業からITへ」といった方のご転職も支援することができました。「なんとかSaaSに入りたい」という思いを持って弊社にご連絡をくださる方が多いです。

弊社のもう一つの特徴は、候補者のご紹介、いわゆるリファラルが非常に多いことです。特に、弊社で転職を支援した方のパートナーやご家族からの紹介が多いです。つい最近も、「友人が3人転職したいと言っているので紹介して良いですか」という連絡をいただきました。
この背景には、私たちが提供するサービスにおいて、顧客満足度を大切にしていることがあります。転職支援をした方が入社後しっかりとオンボーディングできているか、また入社3ヶ月後・6ヶ月後の悩みを必ずヒアリングし、その悩みに対してアドバイスを提供したり相談に乗ったりしています。
また、社内の連携も重視しています。CRMを用いて候補者が「どういう経緯で転職を考えているのか」などを把握し、再現性のある業務フローを構築しています。

私たちはまだ途上の段階ではありますが、候補者が「転職して良かった」と大満足して入社3ヶ月後のフィードバックをくださることが、現在の目標です。それをどこまで実現できるかが、私たちのミッションやビジョンを掲げている「働くことをシンプルにする」「働くことを人生の楽しみの一つと捉えられる」という目標の達成に直結してくると考えています。

——リファラル以外の手法でも候補者さまの集客をしていますか。

求職者データベースサービスでスカウトも送っていますが、少人数のセミナーを実施し、そこから集客をするということを始めました。
実際に弊社を通して転職に成功した方に登壇いただき、どのような背景で転職したのかなどを話していただいています。そうすると、同じような属性の候補者さまにセミナーに参加いただくことができ、候補者さまが「ここなら転職できるかも」と自分ごと化できる機会となるようです。漠然と「転職してみようかな」と考えているような方も多いのですが、実際にセミナーのワークショップで「今の自分のキャリアを分析してみよう」というようなことをやっていただくと、「このまま進み続けてもこの先に何があるのだろう」と考えたりするんです。もちろん「そのまま今の会社で頑張ろう」と思えたら、それはそれではとてもハッピーなことだと思うので、いつか「キャリアアップで転職してみようかな」と思った時に、弊社を思い出してくれれば良いかなと思っています。今の仕事に100%満足な方や、やりがいで溢れている方は正直とても少ないかと思うので、ではなぜやりがいを感じないのか、それは自分のせいなのか、会社のせいなのか、環境のせいなのかとか、というところまですべて洗いざらい探っていただき、もしも自分で変えられない不可抗力のものや価値観が会社と合わないということなのであれば、転職するしかないと思います。そういう場合は、「このような会社であれば合うと思いますよ」というような形で、弊社のキャリアアドバイザーがコミュニケーションを取っています。

導入の決め手は得意領域との相性とシステムの使いやすさ。求人情報の鮮度の良さを活かし、候補者さまのキャリアに合わせた対策で内定率アップ

——クラウドエージェントを導入したきっかけを教えてください。

人材紹介事業の立ち上げ初期にお取引ができる求人企業さまというのは、元々つながりのある企業さまのみになってしまうので、正直求人の数が足りませんでした。しかしRAの人材や工数の確保が難しかったので、クラウドエージェントの圧倒的な求人数の多さに惹かれました。弊社は立ち上げ初期から得意領域に絞って勝負しようと考えていたのですが、他社の求人データサービスと比較をしても、クラウドエージェントの求人は弊社が得意なIT領域や人材紹介の領域も潤沢でした。
あとは、クラウドエージェントのサイトがUI含めて本当に使いやすい導線やシステムになっていたので、そちらも決め手でしたね。

——クラウドエージェントの求人の鮮度や更新頻度はいかがでしたか。

毎朝クラウドエージェントからメールで配信される情報を社員全員必ず見るようにしています。また、更新の通知がくる時もどこが更新されているのか確認するようにしています。そのリフレッシュ具合もクラウドエージェント上に追記で情報を書いてくださっているので、役に立っています。例えば「あと何名枠があります」と書いてある場合は「今推薦を出しても厳しいかもしれない」というように判断することができます。
他の人材紹介会社さまと弊社の違いは、候補者さまが応募したいという企業には必ず応募する、というスタイルです。転職は0.1%でも確率があるのであれば、トライした方が良いと弊社は考えています。候補者さまに「あの時受けていれば、もしかしたら受かったかもしれない」と後から言われてしまうのは申し訳ないですし、もし受けてダメだった場合は諦めがつくというか、納得感があると思うので。ですから、弊社ではクラウドエージェントの求人情報の鮮度には助けられています。

——候補者さまとの向き合い方にこだわりを感じます。内定率を上げるために工夫していることはありますか。

候補者さまの属性やこれまでのキャリアに合わせたご対応をしています。
例えば、第二新卒やジュニア層の方々は、就活の時の自己分析がしっかりできていない方が多いです。ですから自己分析や仕事観、入社してから何を学んできたのかというところを、洗いざらい弊社のオリジナルのシートに書いていただくようにしています。そうすることにより、次の転職で何を実現したいのか、どこに向かっていきたいのかというところが顕在化し、転職への前向きさが生まれたり、面接時の言語化ができるようになります。弊社のキャリアアドバイザーには過去に教育トレーナーをやっていた者もいるので、本当にコーチングのような感じですね。
20代後半から30代半ばぐらいの方々、30代後半以上の方々には、それぞれその層にあった別の対応をとっています。工数はかかりますが、その分しっかりと候補者さまをグリップできれば良いですし、たとえ候補者さまが最終的に他の人材紹介会社さまを選ばれたとしても、候補者さまが弊社でやったことが少しでも何かの役に立てば良いと思います。私も過去、人材紹介会社を通して転職したことがあるので、「こういうサービスがあったら良いな」ということを社内で相談しながら日々ブラッシュアップをしています。ここまでやっている人材紹介会社はあまりいないのではないでしょうか。

選考のスピード感も、大切にしているポイントです。求人票は”なまもの”ですから、すぐに要件が変わってしまいます。求人を出したばかりの時は採用担当者の熱量は高いけれど、徐々にその熱は冷めてくるものなので、面談から応募まで大体3日くらいで応募してもらうようにしています。面談が終わったら、候補者さまに面接の特徴を弊社のフォームに入力していただき、それをサマリーで出して面談前に情報共有したり、そういった仕組み化によるスピードアップも徹底していますね。候補者さまの人生の時間の一部を割いていただいているようなものなので、本当に1分も無駄にしてはいけないと常々考えています。
人材紹介事業はかなり属人的なビジネスなので、そこを脱却しなくてはいけないと思っています。ただ、属人的なものを排除したところに”人というものが介在する価値”があって、はじめて弊社の価値が出てくるかなと思うので、”効率の良い介在のし方・価値の出し方”というところは徹底したいです。これがクラウドエージェントを導入した背景にもつながっています。

担当者のサポート、チャットサポート、人材紹介未経験でも煩雑なやり取りを一元管理できるシステムをフル活用することで、早期の事業立ち上げを実現

——クラウドエージェントを導入してみて、いかがでしたか。

導入して一番良かったのは、担当者の方をはじめ、CSの方々のサポートの手厚さです。「弊社にもこういう社員が欲しい」といつも社内で話しているくらい、本当にそれぐらいありがたい存在ですね。
例えば、弊社が求人企業さまに直接言いにくいようなことも、担当者の方にご相談のチャット入れるとすぐに対応してくださるので、弊社が求人企業さまにお電話をする時間を割かずにすむというところも、コストパフォーマンス的に考えても良いと思っています。逆に求人企業さまとのやり取りやこちらの対応が滞っている時は、システム上で催促してくださることもあります。どうしても属人的でこぼれがちになってしまうので、気付かせてもらえるのはとても助かります。

立ち上げ初期には、求人の通過率の目安など役立つ情報を共有していただきました。事業を始めたばかりで、右も左もわからない中だったので、新たなインサイトをいただけることがありがたかったです。
今でも担当者の方とのコミュニケーションがよく取れていると思います。担当者の方から「この求人企業さまちょっと頑張ってもらいたいです」とご連絡いただいた時は、「頑張ってもらいたいということは、求人企業さまから強いニーズがあるということだから、通過率が高いのだろう」と、それも弊社の一つの気づきになるので。その企業さまが候補者さまとマッチしているのであれば「よし、じゃあこの期間はゴリゴリ進めよう!」と社内で判断しています。

——他に、クラウドエージェントを導入して良かったポイントがあれば教えてください。

先ほど、直接求人企業さまに聞きにくいことはクラウドエージェントを介すことができて良いと話しましたが、逆に直接求人企業さまとやり取りできるところも魅力です。もちろん、事前にクラウドエージェントのメッセージ上にて求人企業さまに確認を取った上でのやり取りにはなりますが、テキストのみではやり取りが難しい込み入った内容、例えば面接のニュアンスの確度について把握したり、テキストではできないプッシュをしたりといったように、人事担当者の方と直接お話をすることもあります。候補者さまの他社の選考状況などもテキストで残しつつ、テキストに残し切れないところのニュアンスを伝えるということもできるので、直接のやり取り自体が禁止されている他社の求人データベースサービスと比較すると、本当にクラウドエージェントを導入をして良かったと思っています。
急いでいる時は、チャットサポートも活用させていただいています。外出先や打ち合わせ中など、担当者の方にモバイルで連絡する暇はないけれど「どうしてもこれ今でないとダメだ」という時は、チャットサポートでご依頼をするとすぐに対応してくださいます。候補者さまからの問い合わせがある時も、候補者さまは「早くしてもらいたい」という意向があることが多く、候補者さま目線では早いに越したことないので、スピード感という点でも助かっています。

–人材紹介事業未経験で立ち上げられたとのことですが、未経験で始めるにあたってクラウドエージェントが役立つポイントはありましたか?

求人企業さまとのやり取りにかかる工数の削減ができたことです。求人企業さまごとのATSにアクセスするという煩雑さが、クラウドエージェントで一元管理できるようになったことでなくなり、その分候補者さまの対応に割く時間を作ることができたというのが一番大きいですね。
求人企業さまって、企業ごとに利用しているATSが異なるんです。私が採用側、いわば求人企業側で面接をしていた立場の時には分からなかった世界がそこにはあって、クラウドエージェントのシステム上で全て完結できるというのは、導入前と比較して本当に楽になりました。その分、例えば候補者さまのレジュメを添削する時間にあてたり、フォローアップの面談をする時間を入れたりというところに時間を使えるというのは非常に大きいですね。
弊社のように人材紹介事業をやっていなかった未経験の企業さま、またコンサル事業と同時に人材紹介事業もやるというような企業さまは、立ち上げ初期は自社だけで頑張るのではなく、クラウドエージェントを使うことによって、事業の伸びや立ち上がりがまったく変わってくるのではないかと思います。

会社や社会は「人」で変わる。「働く」ということの正しい価値観を伝えていきたい

–最後に、今後の展望を教えてください。

直近の目標は、「働く」ということの正しい価値観を、一人でも多くの方に理解してもらいたいということです。
25〜35歳くらいの世代の方々は、ちょうど昨今の”混沌さ”を体感しながら社会人を送られていて、日本の景気の悪い時しか知らないので、働くことに対しての義務感が強かったり、「働くのは何のためか?」と問われると、「お金のため」と答える方が非常に多い世代かなと思っています。お金のために働くこと自体は良いと思うのですが、自分の価値というものがあって、会社に貢献できた対価がお金であるというところを理解できていない方が非常に多いです。そういった若い方々に正しい仕事への価値観を理解してもらいたいですね。義務感で働いていても絶対に楽しくないので。
私は実はライフワークバランスという言葉があまり好きではないです。ライフの中にワークがあるものなので、ライフワークバランスという風に切り分けてしまうと、人間の脳は「ワークが嫌なもので、プライベートは楽しいものである」と捉えてしまいがちになります。そうではなく「ライフを充実させるためにワークがある」ということを伝えていきたいです。

先々の展望は、これからグローバル化がどんどん進み、海外の方々が日本に来るだけでなく日本の方々が海外に出て行くということが大いにあり、人材の交流はどんどんボーダレスになってくると思います。ですから、人材紹介なのか、はたまた違うアプローチなのかは分かりませんが、そういうところにも日本の企業の素晴らしさや、働くことに対する勤勉さというものを海外にも伝えていきたいと考えています。

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